「『結果が全て』じゃない。『結果に結び付くまでのその間』が大事なんだ。そんなところで躓いていたら、いい結果なんて生まれないぞ。もっと元気に、明るく前向きに。若いんだったらなおさらな」

祖父は再び私の頭を撫でると続ける。

「当たって砕けてもいい。大事なのは何度も砕けて成功した結果じゃなくて、『何度も砕けたこと』だ。『そこで自分が頑張ろう』って思ったから、『成功』という結果が生まれたんじゃないか?紗季。小緑を救おうとする紗季がいたら、必ず小緑は救われる」

祖父の言う通り、確かに私は考え過ぎだ。
小緑が言う『瑠璃と仲良くしたい』という言葉を意識し過ぎていた。

だから結果にこだわって、何も行動が思い付かなかった。

でも反省しても、どうしたらいいのか分からない。
難しく考えずに小緑の気持ちも考えたけど、いい言葉は思い付かない。

でも『それが自分の成長しない理由なんだ』と、ようやく気が付いた時には、私は声を張っていた。

同時に、『人に頼る意味』も少しだけ分かった気がする。

「だったらお祖父ちゃん!私、どうしたらいい?どうやったらこっちゃんを助けられる?」

昔から色々考えて生きてきた。『これをやったら、相手がどうなる』とか。
『私の行動一つで、相手はどんな気持ちになる』とか。何パターンも頭の中で考えて、ベストな答えを探していた。

でもそれは、『今の私にはただの時間の無駄』だと気が付いた。
だって、そもそも一人で解決できないし。

人間自分以外の誰かの気持ちなんて分かる訳ないんだし。

だからこそ聞きたい。
今の私に何が必要なのか、今から何をするべきなのか。

やることを一から考え直したい。

私以外の視点から、もっと色々勉強したい。

祖父は再び優しい表情を見せてくれると私の肩を叩いた。
その行動はまるで『頑張れ』って言われているような気がして・・・・。

同時に、『祖父は私の味方なんだ』って、今更ながらようやく気がついた。