私がたどり着いた場所は誰もいない公園。

そこで私は知らない間に公園のゴミ箱を蹴っていた。
悔しくて、いつの間にか物に当たっていた。

そして『こんな気持ち生まれて初めてだ』と思って、私は一人涙を流していた・・・・。

ホント、人の気持ちを理解出来ない馬鹿な私・・・・・・。

時間を確認したら夜の七時を回っていた。
親に連絡はしてないし、早く帰らなきゃ怒られるのに、私は公園のブランコに座っていた。

ただずっと小緑の事だけを考えて、ブランコに揺られていた。

小緑は今どこに居るんだろうか。
ゲームセンターに居るんだろうか。

それとも茜ちゃんや誰かに会っているのだろうか。
城崎さんのカフェに居るのだろうか。

ただ不安に潰されるだけの時間。
本当に無駄な時間だと思って小緑を探そうと決めるも、腰が上がらない。

『やっぱり今の私にはそんな資格はないんだ』と、余計な思考が邪魔をする。

でも、今はこのままでいいのかも。
こんな曖昧な自分のままで小緑に会ったら、また嫌われる。

・・・・・・。

様々なことを考えたが、今は家に帰ろう。まずは自分を取り戻すのが先だと思ったから。

『しっかりしろ』

そう自分に渇を入れて、私は重たい腰を上げる。
肌寒いし、このままじゃ風邪を引いてしまいそうだ。

それに来週は祭りがやって来る。

茜ちゃんも屋台の日のために頑張っているし、樹々ちゃんもお母さんが目を覚まして一日も早く退院出来る日を待っている。
橙磨くんもみんなのサポートをしてくれている。

こっちゃんも秋祭りに向けてダンスを一生懸命頑張っているんだ。

私ももっと頑張らないと。