「デッドボール!」
その球審の声と共に、俺は絶望に墜ちた。
目の前で倒れる人を見て、俺は真っ青な表情に変わる。
帽子も取らずに頭も下げずに謝りもせずに、俺はただマウンドで立ち竦む。
直ぐに相手チームの監督が心配してバッターボックスに駆け寄る。
一方で『大丈夫だ』とバッターは直ぐに立ち上がり一塁ベースに向かおうとするも、監督に止められてベンチに向かう。
代わりに他の選手が一塁へ走った。
プロ野球ではバッターの頭部にボールを当ててしまうと『危険球退場』となるようだ。
だがここは草野球。
ただの野球好きが集まるお遊びだ。
危険球退場なんて言葉はないから、俺はこの後も投げ続けなければならない。
・・・・・・・。
いっそ、危険球退場の方が良かったのに。
俺、威張っているけどすげぇメンタル弱いのに。
ってかこの後投げられる気がしない。
『マジで退場したい』と思う自分がいる。
そんな俺を励まそうと、内野を守るチームメイトは直ぐにマウンドに集まり俺の背中を押してくれる。
「切り替えて。抜け球が相手の頭に当たっただけだから。後で謝りに行こ。知っている人だし」
そんなこと橙磨は言ってくれているが、何もかも初めての俺にはもう訳が分からなかった。
目の前は真っ白だった。
どうして俺がユニフォームを着てこんな所に居るのか。
どうしてマウンドに立っているのか。
どうして相手チームは慌ただしいのかもう何も思い出せない。
・・・・・。
「臆病な奴だね。男だったら、もっとどっしり構えないと。じゃないと、笑われるよ」
そんな中、微かに聞こえた橙磨の言葉に、俺は苛立ちの言葉と共に振り向いた。
こんな状況でも『怒る機能だけはしっかり働く』って、やっぱり人としてどうかしているんだろうか。
その球審の声と共に、俺は絶望に墜ちた。
目の前で倒れる人を見て、俺は真っ青な表情に変わる。
帽子も取らずに頭も下げずに謝りもせずに、俺はただマウンドで立ち竦む。
直ぐに相手チームの監督が心配してバッターボックスに駆け寄る。
一方で『大丈夫だ』とバッターは直ぐに立ち上がり一塁ベースに向かおうとするも、監督に止められてベンチに向かう。
代わりに他の選手が一塁へ走った。
プロ野球ではバッターの頭部にボールを当ててしまうと『危険球退場』となるようだ。
だがここは草野球。
ただの野球好きが集まるお遊びだ。
危険球退場なんて言葉はないから、俺はこの後も投げ続けなければならない。
・・・・・・・。
いっそ、危険球退場の方が良かったのに。
俺、威張っているけどすげぇメンタル弱いのに。
ってかこの後投げられる気がしない。
『マジで退場したい』と思う自分がいる。
そんな俺を励まそうと、内野を守るチームメイトは直ぐにマウンドに集まり俺の背中を押してくれる。
「切り替えて。抜け球が相手の頭に当たっただけだから。後で謝りに行こ。知っている人だし」
そんなこと橙磨は言ってくれているが、何もかも初めての俺にはもう訳が分からなかった。
目の前は真っ白だった。
どうして俺がユニフォームを着てこんな所に居るのか。
どうしてマウンドに立っているのか。
どうして相手チームは慌ただしいのかもう何も思い出せない。
・・・・・。
「臆病な奴だね。男だったら、もっとどっしり構えないと。じゃないと、笑われるよ」
そんな中、微かに聞こえた橙磨の言葉に、俺は苛立ちの言葉と共に振り向いた。
こんな状況でも『怒る機能だけはしっかり働く』って、やっぱり人としてどうかしているんだろうか。