逆転ツーランホームラン。
リードしていた俺達はどん底に叩き落とされるような、泥を飲んだような気分に落ちた。
一方相手チームはお祭りのような騒ぎだった。
右手を高らかに上げてガッツポーズを見せる少年。
ホームランだというのに全力でダイヤモンドを一周した。
スコアは二対一。
四回の表、ワンナウトも取れずに俺達は逆転された。
遊びたというのに、日々の息抜きだというのに。
小学生の一振りに、絶望に落ちたような『お通夜』のような表情を俺達チームメイトは浮かべていた。
それくらい彼の打球は俺達の心を抉るほどの一打だった。
打たれた美空を励ますことを忘れてしまうくらいに。
でも監督はいつだってチームを牽引する。
「こら!みんな気持ち切り替えて!負けたら走って帰らせるわよ!」
ベンチから吠える桜の声に、俺達は我に返った。
そうだ、まだ四回の表。
最終回である九回の裏まで、まだ六回も攻撃がある。
たった一点差だというのに気落ちし過ぎた。
「美空、踏ん張れ!」
マウンドに立つ彼女を俺は後ろから励ます。
彼女に聞こえるように俺は声を張ったが、何も聞こえていないような美空の寂しそうな背中に、俺は違和感を感じた。
次のバッターはまたしてもフォアボール。
そして続くバッターにライト前に運ばれて、あっという間にノーアウト二塁一塁とピンチになった。
キャッチャーは美空に声をかけるも、美空は聞いていないようにも見えた。
まるでボーッと雲一つない青空を見ているような、魂が抜けたような脱け殻のような彼女に・・・・。
「美空、なんかあったのか?」
いつの間にか俺はそんなことを呟いていた。
キャッチャー同様、俺もマウンドに向かおうかと思ったけど。
「いや、それただのスタミナ切れだから。気にしなくていいよ」
その聞いたことのない声に、俺は慌てて振り向く。
そこには俺達と同じユニフォームを来た男が立っていた。
小柄で茶髪の少年。
つか誰だ。こんな人さっきまで居たか?
リードしていた俺達はどん底に叩き落とされるような、泥を飲んだような気分に落ちた。
一方相手チームはお祭りのような騒ぎだった。
右手を高らかに上げてガッツポーズを見せる少年。
ホームランだというのに全力でダイヤモンドを一周した。
スコアは二対一。
四回の表、ワンナウトも取れずに俺達は逆転された。
遊びたというのに、日々の息抜きだというのに。
小学生の一振りに、絶望に落ちたような『お通夜』のような表情を俺達チームメイトは浮かべていた。
それくらい彼の打球は俺達の心を抉るほどの一打だった。
打たれた美空を励ますことを忘れてしまうくらいに。
でも監督はいつだってチームを牽引する。
「こら!みんな気持ち切り替えて!負けたら走って帰らせるわよ!」
ベンチから吠える桜の声に、俺達は我に返った。
そうだ、まだ四回の表。
最終回である九回の裏まで、まだ六回も攻撃がある。
たった一点差だというのに気落ちし過ぎた。
「美空、踏ん張れ!」
マウンドに立つ彼女を俺は後ろから励ます。
彼女に聞こえるように俺は声を張ったが、何も聞こえていないような美空の寂しそうな背中に、俺は違和感を感じた。
次のバッターはまたしてもフォアボール。
そして続くバッターにライト前に運ばれて、あっという間にノーアウト二塁一塁とピンチになった。
キャッチャーは美空に声をかけるも、美空は聞いていないようにも見えた。
まるでボーッと雲一つない青空を見ているような、魂が抜けたような脱け殻のような彼女に・・・・。
「美空、なんかあったのか?」
いつの間にか俺はそんなことを呟いていた。
キャッチャー同様、俺もマウンドに向かおうかと思ったけど。
「いや、それただのスタミナ切れだから。気にしなくていいよ」
その聞いたことのない声に、俺は慌てて振り向く。
そこには俺達と同じユニフォームを来た男が立っていた。
小柄で茶髪の少年。
つか誰だ。こんな人さっきまで居たか?