生徒指導室に向かったら、上級生の不謹慎な行動の対応に追われている烏羽先生がいた。
小さな面談室で生徒と向き合い、言葉を一つ一つ丁寧に紙に書くなど、真面目に生徒と向き合っているんだと僕は感じた。
そう言えば、烏羽先生は何に対しても本気だ。
授業も分かりにくい所があれば、とことん本気で教えてくれるし。
授業の余談も常に本気だ。
まるで仕込んだような先生の話に、クラスメイトはいつも笑顔になる。
だから生徒から人気があるのだろうか?
僕の事を忘れるように、烏羽先生と生徒の面談は一時間近く続いた。
ふと外の景色を見ると、茜色に染まる校舎は暗闇に包まれようとしている。
時間は夕方の五時半を回った頃だった。
夕日はあまり好きじゃない。
綺麗な茜色が広がる空は、見ていて少し不安になる。
なんだろう。
街が焼かれているように見えるからだろうか。
それとも学校が終わる時間だからだろうか。
分からないけど、夕日を見るといつも早く夜になれと思ってしまう。
「すまん、待たせた」
僕が外の景色を眺めていたら、烏羽先生の声が聞こえた。
振り返ると疲れた表情を浮かべながらも笑う烏羽先生が立っていた。
「烏羽先生、終わったんですか?」
「まあな」
僕達は玄関を通って学校の敷地内にある先生達が車を止めている駐車場へ向かった。
目的地は少し離れた場所にあるため車で向かうようだ。
烏羽先生の車は真っ黒な大きな車だった。
車内も特に目立つものもなく地味だった。
僕は烏羽先生に言われるまま後部座席に乗ると、少しだけ生臭い臭いがした。
海にいるような礒の香り。
でも少し臭いがキツイというか。
『何の臭い?』と僕が聞いたら、烏羽先生は後部座席に乗っている青いクーラーボックスを指差した。
『俺、釣りが好きなんだ。鯛でも釣れたら分けてやるよ』と笑いながら車のエンジンを掛ける烏羽先生。
すると今話題のバンドの新曲が流れ出した。
車は走りだし、烏羽先生は曲に合わせて歌い出した。
『こう見えて、元々はミュージシャン希望だったんだぜ』と笑って言うだけか、その歌唱力は惹かれるものがあった。
小さな面談室で生徒と向き合い、言葉を一つ一つ丁寧に紙に書くなど、真面目に生徒と向き合っているんだと僕は感じた。
そう言えば、烏羽先生は何に対しても本気だ。
授業も分かりにくい所があれば、とことん本気で教えてくれるし。
授業の余談も常に本気だ。
まるで仕込んだような先生の話に、クラスメイトはいつも笑顔になる。
だから生徒から人気があるのだろうか?
僕の事を忘れるように、烏羽先生と生徒の面談は一時間近く続いた。
ふと外の景色を見ると、茜色に染まる校舎は暗闇に包まれようとしている。
時間は夕方の五時半を回った頃だった。
夕日はあまり好きじゃない。
綺麗な茜色が広がる空は、見ていて少し不安になる。
なんだろう。
街が焼かれているように見えるからだろうか。
それとも学校が終わる時間だからだろうか。
分からないけど、夕日を見るといつも早く夜になれと思ってしまう。
「すまん、待たせた」
僕が外の景色を眺めていたら、烏羽先生の声が聞こえた。
振り返ると疲れた表情を浮かべながらも笑う烏羽先生が立っていた。
「烏羽先生、終わったんですか?」
「まあな」
僕達は玄関を通って学校の敷地内にある先生達が車を止めている駐車場へ向かった。
目的地は少し離れた場所にあるため車で向かうようだ。
烏羽先生の車は真っ黒な大きな車だった。
車内も特に目立つものもなく地味だった。
僕は烏羽先生に言われるまま後部座席に乗ると、少しだけ生臭い臭いがした。
海にいるような礒の香り。
でも少し臭いがキツイというか。
『何の臭い?』と僕が聞いたら、烏羽先生は後部座席に乗っている青いクーラーボックスを指差した。
『俺、釣りが好きなんだ。鯛でも釣れたら分けてやるよ』と笑いながら車のエンジンを掛ける烏羽先生。
すると今話題のバンドの新曲が流れ出した。
車は走りだし、烏羽先生は曲に合わせて歌い出した。
『こう見えて、元々はミュージシャン希望だったんだぜ』と笑って言うだけか、その歌唱力は惹かれるものがあった。