どうして瑞季が酷い目に遭っているというのに、あたしは知らない顔をしていられたのだろうか。
瑞季はずっと悩んでいたというのに、あたしは何一つしてあげられなかったのだろうか。

話は今から一週間前に遡る。

その日はあたしが遅い時間まで面接練習をしていたあの日のこと。
小緑と瑞季が一緒に帰っていたあの日のこと。

小緑と別れてすぐの事だった。

瑞季と二人になった直後、瑞季は見たことない表情を浮かべて涙を溢していた。
それが何をするか全く想像が付かなくて、自分自身が情けなく思えた。

瑞季があることで悩んでいたと言うことも、あたしは知らなかった。

その日の翌日、小緑が生徒に暴力を振るって謹慎になったこと。
同時に瑞季が学校がいじめられていると言うことを紗季に教えて貰った。

そしてあたしは瑞季と小緑のクラスの闇を知った。
何一つ光のない、漆黒に染まったあの狭い空間の現状を・・・・・・。