翌朝、僕が学校に向かうと教室にある小さな僕の鉄のロッカーが荒らされていた。
南京錠で鍵がしてあったというのに、鉄のロッカーごと壊されていた。

もう南京錠で鍵をかけることは出来ないし、これからずっと僕のロッカーは開きっぱなしだろう。

その残念な鉄のロッカーを見て僕は思った。
それはまるで瑠璃からの『おはよう』の挨拶代わりのよう。

一体どうやら彼女は僕の存在を無視してくれるのだろうか。

特に大切な物は入っていない。
入っていた物と言えば教科書や国語の辞書に、洗ったばかりでまだ使っていない体操服くらいだ。

そのまま中身も捨てれば良かったのに、何故か中身は無事だった。
一体彼女は何がしたいのだろうか。

でも今日は同時進行で、最悪な出来事が起きていた・・・・・。

「ねぇ、あれ誰が書いたの?」

「酷いよね」

その女子生徒達の言葉に、僕は振り返る。

同時におかしいと思った。
こんなに使えなくなるまで僕のロッカーが壊されたというのに、誰一人気にしていないと言うことに。

僕の存在が見えていないのなら、それでもいい。
だがこんな事をクラスの一員として、無視していても良いのだろうか?

・・・・・。

いや、きっと目に入らなかったのだろう。
『こんな事はどうでもいい』と言わんばかりに・・・・。

もっとそれ以上に、『攻撃的なメッセージ』にみんなは目を疑ったのだから・・・・。

・・・・・・。

「・・・・は?」

一方の僕は何故か懐かしかった。
それはまるで、小学五年生の運動会の日みたいで・・・・・。