いつも通り変わらない青空広がる中、肌寒いと感じるようになった昼休みの空の下。

立ち入り禁止区域の学校の屋上に行ったら、僕の元友達の大村瑠璃(オオムラ ルリ)と、昨日瑠璃と一緒に城崎さんの店に来ていた砂田恵介(スナダ ケイスケ)が待ち構えていた。

当たり前だが、他に生徒はいない。

そんな二人を睨み付けるように、昨日の続きのように、僕の存在を彼女達にアピールをする。

「ねえ、なに?」

「あっ、マジで来た」

僕の姿を見た途端、退屈そうな瑠璃の表情が一転。
まるで待ち合わせ場所に恋人が来たような、嬉しそうな表情を瑠璃は浮かべていた。

瑠璃は僕に笑みを見せる。

「小緑遊ぼうよ。何して遊ぶ?」

大村瑠璃と言う人物は、自分にしか興味がない奴だ。
だから自分のためなら、誰かを蹴落としても気にしない。

というより、人を蹴落とすことしか考えていない。
きっと昨日の樹々さんへの態度も『コイツなら蹴落としても大丈夫だろう』と思ったのだろう。

そんな瑠璃が今は怖い・・・・・。

「帰る」

「そんなこと言わないでよ」

『時間の無駄だ』と、私はこの場を去ろうと来た道を戻る。
だがその時、大きな体格の砂田に肩を掴まれた。

僕は砂田を睨みつける。

「なんなのさ」

「お前、昨日なにやってたの?バイト?」

「砂田には関係ない。ってか離せ」

必死に振り払うも、相手は体格のいい男が相手だ。
僕も運動神経に自信はあるが、流石に敵わない。

砂田恵介は死んだ魚の目ように、無愛想で何一つ表情を変えない。
小学生から彼のことを知っているが、彼は大人しくあまり笑おうとしない。

「いいよ、砂田。離してあげて。怪我させても面倒だし」

その瑠璃の言葉に、砂田は力を緩めた。
そういえば砂田は昔から瑠璃の言いなりだっけ。

瑠璃が指示しないと、彼は昔から自分では動かなかった。
一言で言うなら、ロボット。

砂田の力を感じなくなった。
これで逃げれると思った僕は、再びこの場から去ろうとする。

でも・・・・。

「待って、ここからが本題なのに」

そう言って、瑠璃は真面目な表情に変わった。
とても同い年とは思えない落ち着いた彼女の真剣な眼差しに、僕は一瞬だけ目を逸らしてしまった。

そして、僕も興味がある本題を持ち掛けてくる。