気が付けば私は小学校を卒業して中学生になった。

父が気を使ってくれたのか、私は葵や愛藍や紗季が通う中学ではなく、家から少し離れた中学校に通った。

そして自分の事を誰も知らない場所で、私の人生は再スタートを切った。
中学生から始まる、私のリセットされた人生。

でも私の考えが変わらなかったせいか、中学生の時もずっと一人で過ごす日々。
私には中学三年間、友達は誰一人といなかった。

だから私には中学三年間の思い出はない。
思い出そうとしても何もない。

空っぽの三年間。

強いて言うなら、中一の頃に始めたピアノを弾いていた記憶しかない。
ピアノ教室に通って、学校以外ではそれなりに楽しい日々を過ごしていたっけ。

そしてそれは高校も同じだと思っていた。

中学を卒業した私は、近くの高校に入学。
高校生活も一人で過ごそうと決めていたのに・・・・・・。

松川樹々(マツカワ キキ)という破天荒な女の子に、私の高校人生は滅茶苦茶にされた。