紗季お姉ちゃんに教えて貰って、僕『山村小緑(ヤマムラ コノリ)』が大好きなゲームがある。
『マークVSアーロン』という、僕が生まれる前から発売されたゲームだ。

舞台は百年前のアメリカ・ニューヨーク。
そこに世界を脅かす二人の姉弟がいた。

この物語の主人公であり弟のグリーンは真面目な努力家で家業の新聞配達に精を尽くす少年だ。
自分の血を吸う蚊を見ても、『叩くと可哀想だから』という理由で蚊を放っておく心優し過ぎる少年だ。

だが彼の本当の顔は、『マーク』という名前を使って探偵として生きていた。
巷では有名な探偵で、彼に解けない事件は無いとまで言われたほどの名探偵だ。

姉のホワイトも弟のグリーンと同じく、実家の新聞配達で生計を経ていた。
弟とは違って、『自分さえ良ければ周囲ななんてどうでもいい』と思う性格だ。

いつもグリーンに威張って、彼が泣くまでいじめていた。
だけど本音は弟思いのいいお姉ちゃんという設定らしい。

その彼女の本当の顔は世界を脅かす『アーロン』という凶悪な殺し屋。
大統領まで殺害しようとする悪魔のような少女だった。
グリーンは『探偵マーク』として、『殺人鬼アーロン』を追い続けた。
実の姉とも知らず、彼は幾千の難事件を解きながらアーロンの影を追い続けた。

姉のホワイトも『アーロン』として生き続け、『マーク』が自分の弟と知らずに、自分の正体を暴こうとする彼の暗殺を決めていた。

そして二人は幾度と対決を繰り返した。
数々の名シーンに、彼らの謎解きの戦いは多くのプレーヤーを魅力させた。

数年経った今も、ゲーマーの間では語られる事が多い。

ちなみにゲームの結末は、アーロンがマークを追い詰めて殺すも、『マークの正体が実の弟のグリーン』だと知ったアーロンは大粒の涙を溢す。

そしてアーロンは『殺し屋としての使命が終わった』と自らの人生に終止符を打つドロドロ展開のバッドエンド。
誰一人得しないというクソゲーだった。

てかそもそも主人公であるマークは悪役のアーロンを捕まえてもいないし、アーロンの正体もわからないまま殺されている。

これは一つのゲームとしてどうかと思う。
ストーリーもおかしい。