「ちょっと見返してくる」

それが今の私の中にある気持ちだった。
それ以外は考えられない。

何よりみんなに迷惑しかかけていないし。
こんなんじゃ城崎さんにも、みんなにも申し訳ない。

みんな頑張っているから、私も頑張らないと。

それに意地でも目の前の出来事に食らい付いてやる。
もう誰かがいないと、何も出来ない私は嫌だ。

自己満足でいい。
働いた後に私が勝手に『みんなの役になった』と思うならそれでいい。

そしたらそれを城崎さんに言ってみよう。
『そんなことない』って否定されるかもしれないけど、『私は頑張ったよ』という自分へのアピールになる。

そして『私は頑張った』と自分で思えるなら、次回も頑張れるはずだし。
何より『また頑張ろう』って不思議と思えてくるし。

それだけでも私は大きく前進する。
そしてそれを積み重ねたら、もっと前進出来ると思うし。

だからもっと頑張ってやる。

「茜ちゃん?」

心配する紗季に私は笑みを見せた。

そして立ち上がる。

「私、こんな所で終わりたくない」

そう紗季にメッセージを残すと同時に、私は扉を開ける。

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