私達の住む街の片隅にお洒落なカフェがある。
そのお店の店長さんは、とてもおもしろくて性格の悪い人だ。

私が初めて来店したのは樹々にカフェ会に誘われた夏休み前ののこと。
疑いだらけだったけど、私はいつの間にかこのお店で楽しんでいた。

そしてかつての悪友、江島葵(エノシマ アオイ)の姿を見かけた。
小学生以来に彼の姿を見た私は封印していたあの頃の記憶を全て取り戻し、吐きそうな程気分が悪くなった。

でもそれがきっかけで、川島橙磨(カワシマ トウマ)さんと話すようになった。
樹々には迷惑かけてしまった。

それと私の過去を話したのもこのカフェだった。

葵と同じく悪友だった柴田愛藍(シバタ アラン)と再会した音楽祭の帰り道、偶然樹々と出会った私は城崎さんのカフェに向かった。

そしてこのお店で自分の犯した出来事を話した。

だからここは私にとって、特別な場所となっていた。
いつの間にか私の中心となっている場所。

そしてその店の店長さんの城崎さんに、私はいつも頼ってばっかりだ。
本当にいつも支えてくれる。

この前で会ったばっかりなのに、まるで何年も付き合いがあるように。

そんな城崎さんに、私は恩を返そうと決めた。

まるで妹のように、私を可愛がってくれる城崎さんに、『いつもありがとうございます』と伝えたい。