正直言って、僕はずっと桃花に疑問を抱いていた。
一番最初に疑うべき人物たったのに・・・・・・。
どうして桃花は移動教室の前に『トイレ行きたいから先に言って』なんて言ったのだろう。
どうして放課後になると、桃花は帰ろうとせずにずっと下駄箱にいるのか。
思い返してみたら桃花は不自然な行動ばかりだ。
移動教室前に一人になりたがる理由は、誰もいない教室で根岸くんの悪口を黒板に書いていたのかもしれない。
それと一緒に教科書やノートを捨てていのかもしれない。
下駄箱にいる理由は、根岸くんの靴を捨てようとしていたからかもしれない。
そんな犯人と疑うべき桃花の表情を確認する。
でも直後、僕に向かって金属バットで襲ってくる根岸くん。
そんな彼を止めるのに必死だったから、桃花の表情はどんな表情をしていたのか分からない。
そして桃花ばかりに意識が行っていたから、根岸くんに金属バットで脇腹を殴られた。
感じたことのない脇腹の痛みに、息が出来なかった。
きっと肋を折ったんだろう。
崩れるように僕は膝を付き、脇腹を押さえた。
だがそれで桃花を守るのを放棄していい理由にならない。
やることは変わらない。
なんとしても根岸くんを止めて話をしないと。
じゃないと話にならない。
僕は何とか再び立ち上がると桃花を守った。
相変わらず桃花の今の表情は確認できないけど、目の前の怒りに満ちた根岸くんの表情はよく見えた。
まるで漫画に出てくる不良生徒のように、根岸くんは金属バットを振り回す。
でも何とかその金属バットを掴み、彼の動きを止めた。
だが彼の力は強く、僕は振り回された。
そして無警戒だった根岸くんの右足で腹を蹴られた。
すぐに怯んでしまう。
そう言えば根岸くん、太っている割りには運動神経良かったっけ。
地元の子供の相撲大会で優勝したっけ。
だったら金属バットなんて卑怯じゃないかな?
正直今の彼に勝てる自信がない・・・・・。
成す統べなく、僕は地面に倒れた。
『一体いつになったらこの回りの住人は助けに来てくれるんだ』って。
僕、肋を折ってるんだぞ。
つか、窓の外で金属バットを人に向かって振り回す奴がいたら止めろよ。
「橙磨、まずお前から殺してやる。どうせ一人や二人やったって同じだ。だったらお前も妹と一緒に殺してやる!双子だから死ぬ時も一緒の方が良いもんな!」
そう言って根岸くんは不気味な笑みと共に無抵抗の僕に近寄る。
そして僕に向かって金属バットを大きく振りかぶる。
一方の僕は抵抗なんて出来なかった。
あの頃の優しい根岸くんの面影ないその表情に、俺は泣き叫ぶ程の恐怖しか沸き出て来なかった。
一番最初に疑うべき人物たったのに・・・・・・。
どうして桃花は移動教室の前に『トイレ行きたいから先に言って』なんて言ったのだろう。
どうして放課後になると、桃花は帰ろうとせずにずっと下駄箱にいるのか。
思い返してみたら桃花は不自然な行動ばかりだ。
移動教室前に一人になりたがる理由は、誰もいない教室で根岸くんの悪口を黒板に書いていたのかもしれない。
それと一緒に教科書やノートを捨てていのかもしれない。
下駄箱にいる理由は、根岸くんの靴を捨てようとしていたからかもしれない。
そんな犯人と疑うべき桃花の表情を確認する。
でも直後、僕に向かって金属バットで襲ってくる根岸くん。
そんな彼を止めるのに必死だったから、桃花の表情はどんな表情をしていたのか分からない。
そして桃花ばかりに意識が行っていたから、根岸くんに金属バットで脇腹を殴られた。
感じたことのない脇腹の痛みに、息が出来なかった。
きっと肋を折ったんだろう。
崩れるように僕は膝を付き、脇腹を押さえた。
だがそれで桃花を守るのを放棄していい理由にならない。
やることは変わらない。
なんとしても根岸くんを止めて話をしないと。
じゃないと話にならない。
僕は何とか再び立ち上がると桃花を守った。
相変わらず桃花の今の表情は確認できないけど、目の前の怒りに満ちた根岸くんの表情はよく見えた。
まるで漫画に出てくる不良生徒のように、根岸くんは金属バットを振り回す。
でも何とかその金属バットを掴み、彼の動きを止めた。
だが彼の力は強く、僕は振り回された。
そして無警戒だった根岸くんの右足で腹を蹴られた。
すぐに怯んでしまう。
そう言えば根岸くん、太っている割りには運動神経良かったっけ。
地元の子供の相撲大会で優勝したっけ。
だったら金属バットなんて卑怯じゃないかな?
正直今の彼に勝てる自信がない・・・・・。
成す統べなく、僕は地面に倒れた。
『一体いつになったらこの回りの住人は助けに来てくれるんだ』って。
僕、肋を折ってるんだぞ。
つか、窓の外で金属バットを人に向かって振り回す奴がいたら止めろよ。
「橙磨、まずお前から殺してやる。どうせ一人や二人やったって同じだ。だったらお前も妹と一緒に殺してやる!双子だから死ぬ時も一緒の方が良いもんな!」
そう言って根岸くんは不気味な笑みと共に無抵抗の僕に近寄る。
そして僕に向かって金属バットを大きく振りかぶる。
一方の僕は抵抗なんて出来なかった。
あの頃の優しい根岸くんの面影ないその表情に、俺は泣き叫ぶ程の恐怖しか沸き出て来なかった。