「コンクールなんて言ってるけど、私の実力なんて全然だよ。プロでもないのに。この前のコンクールも大したことなかったし」
「そのコンクールって名前は知らないけど、なんかすっごい大会じゃなかったっけ?」
「うん。国内最大のピアノコンクールなんだけど、そこで優勝はしていないけど入賞はした」
直後、樹々は険しい表情で私を睨んだ。
「いやいや、めちゃくちゃすごいじゃん」
「そうかな?でも私なんかよりも、先生の方が上手だし。コンクールにも凄い人も沢山居たし。私の実力なんてまだまだだよ」
私の言葉に樹々は再び肩を落とした。
驚いたり疑ったり、忙しいやつだ。
「アンタがピアノを上手なワケが何となくわかった気がする」
「え?」
「なんでもない。茜はその思考を忘れずに、ピアノを引き続けていればいいの。『辞める』なんて言ったら許さないからね」
私は曖昧に頷いた。
返す言葉が見つからなかったからだ。
改めて横にいる少女を見た。
彼女の名前は松川樹々。
小学校と中学校は異なったため、高校からの友人だ。
身長は女子の中でも低く、遠くからみたら中学生にも見えるが、顔立ちは落ち着いて大人っぽい。
そしてその容姿に自信があるのか薄いナチュラルメイクで、染めた明るい茶髪は肩まである。
ちなみに、我が高校は毛染めもメイクも校則違反だ。
毎月行われる頭髪検査になると、黒髪へと別人のように変化するという、都合のいいオンナだったりする。
黒髪の方が絶対似合うと私は密かに思っていたりするが、毛染めにこだわりがあるようだ。
いつも鞄にぶら下げている小さな熊のぬいぐるみが、樹々のトレードマークになる。
その樹々との別れ道に近づいたため、私は大きな欠伸を浮かべて私は手を振った。
さっさと帰って仮眠をとってから大好きなピアノでも引こう。
「そのコンクールって名前は知らないけど、なんかすっごい大会じゃなかったっけ?」
「うん。国内最大のピアノコンクールなんだけど、そこで優勝はしていないけど入賞はした」
直後、樹々は険しい表情で私を睨んだ。
「いやいや、めちゃくちゃすごいじゃん」
「そうかな?でも私なんかよりも、先生の方が上手だし。コンクールにも凄い人も沢山居たし。私の実力なんてまだまだだよ」
私の言葉に樹々は再び肩を落とした。
驚いたり疑ったり、忙しいやつだ。
「アンタがピアノを上手なワケが何となくわかった気がする」
「え?」
「なんでもない。茜はその思考を忘れずに、ピアノを引き続けていればいいの。『辞める』なんて言ったら許さないからね」
私は曖昧に頷いた。
返す言葉が見つからなかったからだ。
改めて横にいる少女を見た。
彼女の名前は松川樹々。
小学校と中学校は異なったため、高校からの友人だ。
身長は女子の中でも低く、遠くからみたら中学生にも見えるが、顔立ちは落ち着いて大人っぽい。
そしてその容姿に自信があるのか薄いナチュラルメイクで、染めた明るい茶髪は肩まである。
ちなみに、我が高校は毛染めもメイクも校則違反だ。
毎月行われる頭髪検査になると、黒髪へと別人のように変化するという、都合のいいオンナだったりする。
黒髪の方が絶対似合うと私は密かに思っていたりするが、毛染めにこだわりがあるようだ。
いつも鞄にぶら下げている小さな熊のぬいぐるみが、樹々のトレードマークになる。
その樹々との別れ道に近づいたため、私は大きな欠伸を浮かべて私は手を振った。
さっさと帰って仮眠をとってから大好きなピアノでも引こう。