「自分と似てるからだと思うよ。きっと自分と似たような存在を探しているんだと思う。ほらペンギンって陸地ではのんびりしているけど、水中に入ったらスッゴく泳ぐの速いの知ってる?こっちゃんもやる時はやる子なの。おっとりしているけど、私と違って凄い運動神経いいんだから。スポーツしている時のこっちゃんスッゴく可愛いから。小学生の運動会の写真、今度見せてあげるね!スッゴい可愛いから!」

いや、『最後の言葉はいるのかな?』と、呆れた私は聞き流していた。
そういう妹の自慢話は申し訳無いが本当に興味がない。

「そうですか。でも家に連れて来てどうするの?」

「そこから私の出番だから。任せて」

「任せてって、どうするの?」

「それは秘密。お姉ちゃんの特権があるんだから」

それが何なのか正直わからない。

わからないからこそ不安になった。
紗季なら本当に、何をやらかすのわからない。

自分の身を削ってまで誰かの事を考える馬鹿な親友だ。
『みんなの推薦を断れない』と、クラスの学級委員を勤める山村紗季だ。

自分は身体が弱いというのに。

こうして紗季との通話が終わった。

だから本当は、ある程度の知識を入れて今日の小緑と戦っていた。
私が小緑の話にあまり驚かなかったのは、事前に馬鹿なお姉ちゃんから聞いていたから。

そして本当に紗季は馬鹿者だとこの後に私は知る。
まるで自分なんて存在はどうでもいいと言うように・・・・・。

本当に大馬鹿だよ。紗季は・・・・・。