さっきから一つ気になる事がある。
それは『紗季が怒った』という言葉だ。
怒っている紗季なんて見たことないし、あの温厚で優しい彼女だ。
まずあり得ない。
それに紗季も『小緑の事が嫌い』なんてあり得ない。
事実だとしても、心は絶対にそんなことを思っていないはずだ。
それに私より小緑の方が紗季の事をよく知っているハズなんだけど、どうしてもその言葉を信じたくない。
何て言うか、私自身があの温厚で優しい紗季以外認めたくないから。
ワガママな発想だけど、それ以外の紗季は紗季じゃない。
だから私は自分の知っている紗季について話す。
「私の知っている紗季は困っている人を見捨てたりしないよ。根拠はないけど、あの真っ直ぐな性格の紗季だよ。曲がった考えは絶対にない!」
力強い私の言葉に、小緑は怯んだように私から目を逸らす。
そして買ったばかりのブレスレッド揺らして、小緑は再び私の目を見た。
「やっぱり茜さんは頼りになります」
「頼りにしないでくれる?」
「そんなこと言わないでくださいよ。お互い似た者同士なんですから」
「どこが?」
「子供ぽくない所とか。あとみんなと考えている事が違うところとか」
その言葉になぜか私は笑ってしまった。
親近感を抱いた訳じゃない。
面白かったからだ。
だから久しぶりに昔よく使っていた言葉を使ってみる。
「私は大人なの。考えている事はみんなと違うの」
そう言ったら小緑は笑顔を見せた。
確かに私と小緑、何だか私に似ている気がする。
『何が似ているの?』って聞かれても答えられないが、何となく。
何となく似ている気がする。
そんな似た者同士の『妹』のような存在に、私は水族館のパンフレットを片手に提案する。
「あっ、もうすぐペンギンショーだって。小緑、一緒に見に行こうよ」
案の定小緑の表情が歪んだ。
「ペンギン?なんで?意味がわからない」
まあ確かに意味わからないよね。
私も意味わかんないし。
でも小緑に伝えたいことはある。
それは『紗季が怒った』という言葉だ。
怒っている紗季なんて見たことないし、あの温厚で優しい彼女だ。
まずあり得ない。
それに紗季も『小緑の事が嫌い』なんてあり得ない。
事実だとしても、心は絶対にそんなことを思っていないはずだ。
それに私より小緑の方が紗季の事をよく知っているハズなんだけど、どうしてもその言葉を信じたくない。
何て言うか、私自身があの温厚で優しい紗季以外認めたくないから。
ワガママな発想だけど、それ以外の紗季は紗季じゃない。
だから私は自分の知っている紗季について話す。
「私の知っている紗季は困っている人を見捨てたりしないよ。根拠はないけど、あの真っ直ぐな性格の紗季だよ。曲がった考えは絶対にない!」
力強い私の言葉に、小緑は怯んだように私から目を逸らす。
そして買ったばかりのブレスレッド揺らして、小緑は再び私の目を見た。
「やっぱり茜さんは頼りになります」
「頼りにしないでくれる?」
「そんなこと言わないでくださいよ。お互い似た者同士なんですから」
「どこが?」
「子供ぽくない所とか。あとみんなと考えている事が違うところとか」
その言葉になぜか私は笑ってしまった。
親近感を抱いた訳じゃない。
面白かったからだ。
だから久しぶりに昔よく使っていた言葉を使ってみる。
「私は大人なの。考えている事はみんなと違うの」
そう言ったら小緑は笑顔を見せた。
確かに私と小緑、何だか私に似ている気がする。
『何が似ているの?』って聞かれても答えられないが、何となく。
何となく似ている気がする。
そんな似た者同士の『妹』のような存在に、私は水族館のパンフレットを片手に提案する。
「あっ、もうすぐペンギンショーだって。小緑、一緒に見に行こうよ」
案の定小緑の表情が歪んだ。
「ペンギン?なんで?意味がわからない」
まあ確かに意味わからないよね。
私も意味わかんないし。
でも小緑に伝えたいことはある。