小学五年の夏休みが明けた、九月のある一日。
それはなんの前触れもなく、まるで地割れのように私達の関係は裂けていった。
当時飼育委員だった私と葵。
飼育委員の仕事して私達二人は、裏庭にある動物小屋に向かっていた。
生徒が帰った放課後ということもあり、裏庭に通じる校内の廊下には誰もいなかった。
そんな誰もいない廊下で、私の隣にいる葵は愚痴を一つ溢す。
「マジで黒沼(クロヌマ)の奴腹立つ。茜もそう思うだろ?」
何の事か分からない当時の私は首を傾げた。
「何が?」
「ほら今朝の六年の奴だよ。いじめられている奴がいたから、俺と愛藍でそいつを助けたのに、助けた俺達が先生に怒られた。いじめらていた奴も、『助けてもらった』って一言言えばいいのに。ずっと黙っているから、俺らがそいつをいじめたみたいになったじゃねぇか。二度と助けるもんか。俺達はいじめから救っただけなのに」
「ああ、そんなことあったね」
私は他人のことなんて興味ない。
と言うより、今回はあまり覚えていないと言うのが本音だった。
その日の出来事は登校時に起きたが、朝が苦手な私は眠たくて殆ど記憶がない。
でも一応思い出そうと脳を使ったけど、『そういえば誰か知らない人がいじめられていたね』といい加減に心の中で呟いて、私は考えるのをやめた。
何より目の前でいじめがあったとしても、私は知らない顔しているだろう。
ただ『可哀想』と思うだけというか、『不幸』というか。
でもそれ、私だけではなく殆どの人がそれに当てはまるのじゃないのかな?
結局は自分が一番かわいい。
表には出さないが、人間なら必ずそんなことを思っているはず。
だからこそ葵や愛藍の行動が理解できなかった。
いじめられている人を助けるなんて、自分には何にもメリットはないし。
それに葵や愛藍も無傷じゃない。
相手は体の大きな六年生が三人。
私は喧嘩に参加せずに眠たそうな表情で黙って見ていたが、二人は『よく闘った』と他人事のように思う。
・・・・・。
・・・・そう、『他人事』のように。
本当に『二人はバカだな』と思いながら・・・・・。
ってか私、何だかんだで朝の出来事覚えているし。
それはなんの前触れもなく、まるで地割れのように私達の関係は裂けていった。
当時飼育委員だった私と葵。
飼育委員の仕事して私達二人は、裏庭にある動物小屋に向かっていた。
生徒が帰った放課後ということもあり、裏庭に通じる校内の廊下には誰もいなかった。
そんな誰もいない廊下で、私の隣にいる葵は愚痴を一つ溢す。
「マジで黒沼(クロヌマ)の奴腹立つ。茜もそう思うだろ?」
何の事か分からない当時の私は首を傾げた。
「何が?」
「ほら今朝の六年の奴だよ。いじめられている奴がいたから、俺と愛藍でそいつを助けたのに、助けた俺達が先生に怒られた。いじめらていた奴も、『助けてもらった』って一言言えばいいのに。ずっと黙っているから、俺らがそいつをいじめたみたいになったじゃねぇか。二度と助けるもんか。俺達はいじめから救っただけなのに」
「ああ、そんなことあったね」
私は他人のことなんて興味ない。
と言うより、今回はあまり覚えていないと言うのが本音だった。
その日の出来事は登校時に起きたが、朝が苦手な私は眠たくて殆ど記憶がない。
でも一応思い出そうと脳を使ったけど、『そういえば誰か知らない人がいじめられていたね』といい加減に心の中で呟いて、私は考えるのをやめた。
何より目の前でいじめがあったとしても、私は知らない顔しているだろう。
ただ『可哀想』と思うだけというか、『不幸』というか。
でもそれ、私だけではなく殆どの人がそれに当てはまるのじゃないのかな?
結局は自分が一番かわいい。
表には出さないが、人間なら必ずそんなことを思っているはず。
だからこそ葵や愛藍の行動が理解できなかった。
いじめられている人を助けるなんて、自分には何にもメリットはないし。
それに葵や愛藍も無傷じゃない。
相手は体の大きな六年生が三人。
私は喧嘩に参加せずに眠たそうな表情で黙って見ていたが、二人は『よく闘った』と他人事のように思う。
・・・・・。
・・・・そう、『他人事』のように。
本当に『二人はバカだな』と思いながら・・・・・。
ってか私、何だかんだで朝の出来事覚えているし。