夢を見た後のあたしは、いつも額に大量の冷や汗を掻いている。
激しい頭痛。

そして強烈な吐き気。
きっと夢のせいだ。

でもそんなあたしを守ってくれる人がいる・・・・・・。

「あら?目が覚めた?おはよう」

あたしの住む家の自分の部屋。
そこに杏子さんが居ることを理解するのに、あたしは時間がかかった。

『もう安心していいんだ』って思ったら、思わず泣きそうになった。

「きょ、杏子さん?」

「もしかしてまたいつも夢?」

杏子さんの言葉に、あたしは小さく頷いた。
昔その夢の内容を話したから、杏子さんはあたしがどんな夢を見ていたのか知っている。

「恐かったね。でも、もう大丈夫だから。安心して。それとさっき、茜ちゃんが来てくれたわよ」

その友達の名前を聞いたあたしは、飛び起きた。

「茜?どうして?」

「どうしても何も、一週間も学校休んだら心配するわよ。もしかして友達に言ってないの?」

その言葉にあたしは杏子さんから目を逸らすと、自分の携帯電話に視線を移す。
最近携帯電話を触っていない。

あたしの視線の先が気になったのか、杏子さんはあたしの携帯電話を手に取る。
そして案の定怒りだした。

「ってかあなたねぇ、ケータイ電池切れで死んでるじゃない!もう、小まめに充電しなさいって言っているでしょ?」

あたしはムッと頬を膨らました。

充電器は壊れているのだ。
夏祭りでお金を使いすぎたため貯金は少ない。

付けっぱなしのテレビのテロップは午後の六時半を表していた。
朝から寝ていたけど、もうそんな時間なんだ。

全然気が付かなかった。