江島葵。

その男の子の名前は懐かしく、毎日のように一緒に遊んでいた、幼き私の大好きな親友の名前。

同時に気分が悪くなるほど、脳裏に刻み込まれた彼の名前。

私は親友だった名前を聞いて、自分の過去を思い出した。
誰も振り向いてくれない、あの地獄のような七年前日々。


真っ黒に染まった過去に、私は再び引きずり込まれようとしていた。