カフェ会は今がピークタイムのようだ。
初めてあった者同士、連絡先の交換をしている姿が見える。

中には趣味が合うもの同士で次の予定を入れている人もいた。
私は桜さんと美空さんしか連絡先を交換していない。

理由としては、この二人しか話していないから。
やっばり私には知らない人に話し掛ける勇気はない。

そんな中、私はずっと隣にいてくる樹々の肩を軽く叩く。

「樹々。私、そろそろ帰りたい。音楽祭の練習もあるし」

その言葉に、樹々も店内の時計を確認。
そして頷いた。

「そうだね、明日も学校だし」

私は荷物を確認して鞄を手に取ると、楽しく騒ぐ桜さんや美空さんに一礼。
そして『今度は一緒に遊ぼう』と言ってもらって彼女達と別れた。

ずっと笑顔の二人が印象的だった。

「シロさんに帰るって言っとこ。ってか茜、シロさんと喋ってないよね」

樹々の言葉に私は頷く。

「うん。今日は忙しそうだったし。話しはまた後でいいかなって」

どうやら私は言葉を間違えたみたい。
直後、樹々は不気味な笑みを浮かべて私を見ていた。

失礼なやつだ。