今日は本当は橙磨さんも誘ったが、今日はアルバイトがあるらしく、『来れない』と言っていた。
だから私達が待っているのは橙磨さんじゃない。

その代わりといったら変だけと、『今日一緒に遊ぼう』って山村紗季と言う女の子を誘った。
優しい女の子で、背が高くてモデルのようなスリムな体型な女の子。
顔も可愛らしい。

その紗季が私の目の前いる。
実際に会うのは約一週間ぶりだ。

「あ、紗季。久しぶり。もう大丈夫なの?」

「うん!って、本当は今日も安静にしてないといけないんだけどね」

山村紗季(ヤマムラ サキ)。
彼女とは小学生からの友人で、私の過去を知る人物。

綺麗な黒い髪のポニーテールが紗季の特徴だ。
そして紗季は生まれ付き心臓が悪く、入退院を繰り返している病弱な少女。

だからこそ今ここに紗季がいることに嬉しく思えた。
目の前に友達がいると言うことが、何だか嬉しいと思う自分がいる。

『無事に退院出来たんだ』って思ったら、凄くホッとした。

「樹々ちゃんどうしたの?」

紗季の質問に、私が代わりに答える。

「まあちょっと。葵と愛藍のこと話したからかな」

私達に会えた事に紗季から笑顔が耐えなかったが、その言葉で一転。
紗季は真剣な表情に変わった。

同時に紗季は小さく頷く。

「そうなんだ・・・」

気を使ってくれているのか、それ以上は問わなかった。
そして紗季はまた先程の笑顔に戻る。