終始不安げな表情を浮かべている樹々は何度も頷いていた。

橙磨さんも終始、私から目をそらして空っぽのアイスコーヒーのグラスをすする。

城崎さんは何度も驚いた表情を浮かべていたのが印象的だった。

その日は夏休み入って学校が休みだから夜遅くまで話した。

そして大してお酒を飲んでないのにも関わらず、酔いつぶれ潰れそうだった城崎さんを見兼ねた私達はその場で解散をした。

樹々いわく、城崎さんはお酒が好きなのだが、かなり弱いらしい。
今日のように勝手に酔い潰れて、強制的に営業を終了させることはよくあることらしい。

他人事のように考えれば、本当に面白い人だと私は思った。

一方の私は一人で帰ろうとしたが、橙磨さんが家まで送ってくれた。
『夜道に女の子一人で歩いていたら、桃花みたいになる』だってさ。

その橙磨さんの過去も、いつか知る日は来るのだろうか。