この半年間、衣鶴と離れてようやくそれに気付けた。

継続は努力、そういうのは似合わなかった。

「じゃあ俺も辞める」

ぎゅっと握られたおにぎりのフィルムが、くしゃりと音を立てる。
具が出てこないか気になった。

「ちゃんとレポート書けよ」
「水薙が居ないと意味ない」
「あるよ、十分。あんたは才能ある」

昼休みがもうすぐ終わる。

「クラス戻る」と立ち上がり、校舎の方へと歩いていく。
背中から声がかかって呼び止められた。顔だけそちらへ向けた。

「あの時言ったこと、覚えてるか?」

衣鶴は中途半端に立っていた。おにぎりが落ちそうだ。