あたしはすることもなくて、先ほどボールを飛ばしてきた男子たちの方を見た。
楽しそうだ、混ぜてもらおうかな。

「この前の中間、落としたんだって?」

衣鶴の言葉に、そちらを向く。咀嚼しながら、当人はバレーボールの行方を窺っていた。

きっと担任が言ったのだろう。あたしは入学してから試験はトップ3に納めていた。それは隣にいる衣鶴も同じだ。

でも衣鶴はアメリカへ留学していたので、ここ半年の学校の成績は無い。

「この前の中間だけじゃない。二学期末も落とした」

事実を述べると、衣鶴の顔がこちらを向いた。