知らねえっつの。
「勝手に留学行ってレポート書いてんなら良いだろ」
「……なんか水薙さあ」
言葉が切れた理由がすぐに分かった。衣鶴がおりてきたからだ。
上履きのまま中庭のタイルの上を歩く。
「私、委員会行ってくる」
宇賀は立ち上がり、衣鶴と入れ替えに校舎へ入って行った。
衣鶴は購買で入手したらしいおにぎりを数個持っている。
いつかパンを食べていたとき、腹持ちが悪いことを嘆いていたのを思い出した。
「米がうまい」
おにぎりを頬張りながら言っている。なんだそのアメリカかぶれな意見は。
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