二階から出ていった水薙の後ろ姿を見る。 仕方なく窓を閉めて、衣鶴は廊下を歩いた。 「あれ、水薙は?」 前から来た宇賀に尋ねられる。 「帰ったと思う」 「まじかー、委員会の連絡があるみたいなんだけど。まいっか」 てきとうな所が少し水薙に通ずるところがある。 流れで同じ方向へと歩いて行く。 「水薙、何の委員会入ってんの?」 「体育祭委員会、足速いし」 「それ関係あんのか」 水薙がきちんと体育祭に参加しているところを想像しても、想像しきれない。 宇賀がふと口を開く。