誰かにとっては、救いに。
誰かにとっては、誓いになるのかもしれない。
「学校作ったら教えてね。見に行きたい」
そんなに未来のことを約束したのは初めてで、「あ、はい……」と気の抜けた返事をしてしまった。
「ありがとうございました。失礼します」
資料を貰って予備室を出る。
この前、あたしが飛び出た窓の近くに衣鶴が居た。
「終わった?」
「うん、聞いてたろ」
「あ、ばれてた? 相変わらず耳良いな」
隣に並んで歩き出す。
それがもう普通になった。
衣鶴の方を見て、その向こうの窓の、向こう側に花が見えた。