「勉強は、これからも一応やる気はあるんですけど、短気と飽き性で前々回と前回の成績落として後も先もなくて」
「うん」
「……どうにか、なる方法ってありますか」
最低な質問方法だと我ながら思う。
担任は誤魔化して笑うことも呆れてため息を吐くこともしなかった。
この人は大人なんだな、と実感する。
「小耳に挟んだんだけど、高校進学理由、学校を作りたいからって本当?」
「……衣鶴ですね」
「風の噂です」
にこにこ笑っている。衣鶴め。
「本当です」
嘘を吐く必要はない。
担任が引き出しから冊子やプリントを出す。