「また階段から落ちたの?」 階段に気をつけろ、と言われたにも関わらず、あたしは顔に大きな青痣を作っていた。 どうやって答えようかとここで考えている辺り、半分以上諦めている。 暫く黙っていると、担任が次の質問をする。 「学校はまだ辞めるつもりなの?」 返答を探す。なんで今回は隣に衣鶴が居ないんだと思ってしまう自分がいる。 「うち、貧乏、というか、学費を出してくれるひとが居なくて」 膝に置いていた手を机の上に出す。 話している内にまとまれば良いと思った。