宇賀の言葉はそれ以上それ以下の意味を持たない。
夕飯のカレーライスを狙って帰ったんじゃないか、という程の食べっぷりを思い出す。
「今日は一緒じゃないの?」
尋ねられる。
「今までも一緒ではなかったけど」
あたしは首を傾げる。少し大きめに。
顔の横をバレーボールが通り過ぎていった。
「ごっめん! ぶつかってない!?」
慌てふためく男子が青い顔をして届かないボールに手を伸ばしている。
目をパチクリさせて驚く宇賀を横目に、壁にぶつかって止まったボールを拾って返した。
「大丈夫」
「おう……」
少しもぶつかってはいない。