ぼんやりと目を開くと、暗い地面が見えた。これは橋のタイルだ。
ゆらゆらと、揺れている。
何かに乗っかっている。その首が熱いことに気付いた。
ピアス穴の沢山空いた耳が冷たい。
「あー」
発声練習。どこかでそんなことをしてる奴を見たことがある。
「生きてた?」
「いちおう。途中から記憶ない」
「誰かがケーサツ呼んだらしい。パトカーのサイレンで散った」
ということは勝敗はつかなかったのか。
いやまあ、あの人数差であそこまで倒したならこちらが勝ったと言っても過言じゃない。
それを考えるなら、一人相手に複数人で来るところから、自分は負けていますと表している。