しかも制服で来たということは、ここに直で来たのだろう。あたしが頭を抱えてしまう。 変な噂が立たないように制服は脱いで着ていたのに。 「本物のバカがここにいた……」 まあ、でも良いか。 なんか笑えてきた。バカばっかだ。 世の中はバカだらけ。 「どうせ到着地点が同じなら、一緒に行こうぜ」 背中から聞こえた声は少し弾んでいる。走ってきたのだろう。 「まあ、まだ死ぬつもりはないけどな」 言葉を返す。とりあえず、今はまだ。 見えなかったけれど、たぶん衣鶴も笑っていた。 ゆらゆらと揺れる。