あとから、全部知った。

「俺、半年アメリカに留学する」

うちで祖母の作った夕飯を食べていたとき、最後に本人の口から聞いた。

「アメリカって、英語出来るんか」
「そりゃ勉強したし」
「半年って長くねえか」
「いや多分あっという間」

祖母が矢継ぎ早に質問した。衣鶴は何でもないことのように答える。

半年。季節を二つ通りすぎる。

「おい聞いてる?」
「あー、まあ」

衣鶴はそれを一人で決めたのだから、誰も止める術はない。

学校を作るには、とりあえず知識が必要だと衣鶴は言った。だから高校に進むことにした。