窓枠に足をかける。 「”マテ”ができるわけないだろ」 舌を出す。足に力を入れてサッシを蹴った。 「ばか」と衣鶴の声が聞こえる。 二階から降りるくらい造作もない。すとん、と地面に着地。 「あ、上履きだった」 「おい水薙!」 「窓閉めといて、あとスライド終わらせろよ」 じゃあ、と靴を替えるために昇降口へと向かう。 足早に駅へと向かった。バスに間に合うように。 一度部屋に戻って私服に着替える。それから橋を渡った。 蓮奈たちにはあれから会っていない。 他の目的があって、あたしはその街に戻る。