それが可笑しくて、少し虚しかった。

煙草を箱に戻す。体育館倉庫の中は埃が舞っていて、高い窓から差す光にそれがちらちらと映った。

空は青い。そういえば、暗い場所から見る空はとても青い。

知らないことばかりで、それはこれからも変わらないのかもしれない。
あたしに限らず、他の人間も。

「学校作りたいな」

なんとなく零した。壁に寄りかかっていた男は何も言わない。

「何か知りたいことがあって、行くと教えてくれたり、一緒に考えてくれるとこ」

男は、笑わなかった。
ただきょとんとした顔をして言う。

「それが学校だろ」と。