続々と現れたのはいつしか喧嘩を買ったか売ったかした奴ら。
ここの制服を着ているので、ここの生徒らしい。
「みずなぎい、特等席で煙吸ってんのかよ?」
前からくる奴が言う。あんたの手に持ってんのも煙草だろうに。
煙が上へと燻る。
「そんなにここで吸いたかったのか」
それなら退いてやろう、と立ち上がると、その後ろから数人飛び出してきた。
ばーか。
手が見えすぎて、笑ってしまう。大方、そいつらであたしを掴まえて、根性焼きでも入れたかったのだろう。
近くのフェンスによじ登ってそれを交わす。一人の人間の顔面を蹴った。