宿題を終えて、ガレージから子供たちを出す。
ただでさえ視界不良なので、暗くなったら危ない。
特に夜は治安も悪くなる。寝ていたノライヌたちが起き始めるから。
「放火?」
「らしい。だからここではもう勉強見られない」
あたしもカバンを持って立ち上がる。衣鶴がそっと燃えた机に触れるのが見えた。
そんな優しく扱うようなものじゃないのに。
こういう感想を心で述べる度、自分と衣鶴の違いを実感する。
「拠点移すってこと?」
「考え中。どこかにスペース借りられれば良いけど」
その為にも金がいる。今すぐに、だ。
物覚えの悪い自分の頭の為に時間を使っている場合ではない。