学校で出されたという宿題を少し見ていると、シャッターが開いた。
顔を出したのは衣鶴だった。
「え、衣鶴くん!」
周平が犬のように立ち上がって顔を輝かせた。そうだった、帰ってきたのを伝えていなかった。
「よ、ひさしぶり」
「アメリカ行ってたんでしょ、お土産は?」
「あ、忘れた」
えー、と各方面からブーイング。衣鶴が周平の背中を押して椅子に戻す。
「レポートから解放されたのか?」
「まだスライド地獄が残ってるけど、とりあえず。てか」
あれなに? と視線が語っている。
燃えた机。あたしは気づかないふりをして無視を決め込む。