そうやって混乱する私の背後に回る松井先生は、すぐに私の首を軽く絞め始めた。
心の底から私を恨むような憎しみを放ち出す松井先生の怖い表情。

「おいこらテメェ、人の旦那に手をつけて何やってくれてんだ?しかも学校までサボって。誠也の嫁として許さねぇぞ」

「ちょ!松井先生!やめてください!」

必死に抵抗する私だが、相手は体育を教える先生。
体も鍛えてるせいか、全く歯が立たない。

一方で松井先生は私の首を絞めた後は、くすぐり攻撃を仕掛けてきた。
どさくさに紛れて、私の胸まで触ってくる。

『ってこら!』って言いたいけど言えない・・・・。

「このやろう!絶対に許さないぞ!千尋みたいに可愛いからって、許さねぇぞ!」

「あはは!ってか松井先生!ち、千尋って誰ですか?」

「こまけぇことは気にすんな」

「意味わかんないです!きゃはは!先生、くすぐったいです!」

そう言えばこの前にもその名前を聞いたような。

誠也さんも同じような名前を言っていたような。

でもそんなことより現状をどうにかしないと。
後ろから生徒の胸を揉む変態教師をなんとかしないと!

私も全力で暴れて抵抗する。

「もう!松井先生!何やっているんですか!」

私の抵抗を全部無視してくる松井先生は、くすぐり攻撃から私の胸に手を掛けてきた。

『もうやめてください!』と心の中でさけんでも、松井先生はやめてくれない・・・・・。

「ほれほれ、誠也は巨乳好きだぞ。そんな貧相な胸じゃ、誠也は振り向いてくれんぞ?」

その情報は初耳だ。
でも松井先生も対して大きくないし。

・・・・・。

ってそんなことはどうでもいい!
また嘘の情報に決まっている!

この人、基本的に嘘しか言わないし。

あと生徒の胸を揉む先生なんてサイテーだし。
女であってもゼッタイダメだし・・・・・。

やがて松井先生は私から離れてくれた。
どうやら隣の体育館に授業を受ける生徒達が来たみたいだ。

立派なセクハラを他の生徒達に見られたら、クビになっちゃうかもしれないし。

まあ私からしたらどっちでもいいんだけど。

松井先生、味方でもあり敵でもあるんだし。
油断のできない存在だ。