確かに私は今まで一人だった。
だから視野や思考が狭くて、ずっと一人で悲しんできた。

といより何も出来なかった。
現状に対してどう行動をしていいのか分からないからこそ、現状に対して『悲しむ事』しか出来なかった。

私には知恵が足りなさ過ぎる・・・・。

でも隣に誰かいたらどうだろう。
苦しいときに、『仲間』がいてくれたら、スゴく心強いのじゃないかな?

『また明日も頑張ろう』って思えるんじゃないかな?
嫌な現状に対して、立ち向かおうとする意思が生まれるんじゃないかな?

まるで、昨日武瑠と話して笑顔になった私のように・・・・。

だから誰かが側に居てくれたら、自分自身が変われるんじゃないかな?
もっと自信を持てるんじゃないかな?

だけど正直言って、その仲間を見つけるのは一苦労すると思う。
何より『自分が苦しい』って、周りには言いたくないと思うし。

変な意地張っちゃうし。

だけどほんの少しの勇気を出すだけで、味方になってくれる人がいる。
辛いときに、手を差し出してくれる人がいる。

『助けて』って言ったら、自分の世界は大きく変わる・・・・。

そして今の私には誠也さんと言う『味方』がいるから、『何でも出来そうな気がする』って思う自分もいる。

それに、私にはお父さんも武瑠もおばあちゃんもいるんだ。
『身近に味方になってくれる人が結構いるんだな』って、ようやく私は気が付いた。

『自分は一人じゃなかった』って、やっと気付けた。

・・・・・・。

だったら後で武瑠にもまた相談してみよう。

武瑠がいると元気が出るし。
いっつもダメなお姉ちゃんを励ましてくれるし。

私は、一人じゃないんだし。

「はい!」

いつの間にか元気溢れる声で返事していた私は、自分の手で改めて銃を握る。

そして巨大なサメを目掛けて、私は立ち向かった。

誠也さんと一緒に一つの銃を握って戦う。