今から七ヶ月前の、新学年の新学期のこと。
いつも通り一人で過ごす私に、声を掛けてきた二人組がいた。
クラスの男子から人気のある、優しい女の子の二人組。
「ねぇ、なんでいつも一人なの?」
「ちょっと燐ちゃんストレート過ぎだって!」
そう言う二人組は、最初は一人でいる私をからかっているのだと思った。
だから私は自然と下を向いてしまう。
無視するように、何も答えなかった。
と言うより、なんて言葉を返したらいいのか分からなかった。
必死に考えても、友達のいない私には『超難問級のクイズ』のように思えて何も答えられない。
二人組に無愛想なやつだと思われる私。
それでも二人は優しかった。
こんな私にも、ちゃんと目を合わして話してくれる。
「ごめんごめん。あたしは北條燐(ホウジョウ リン)だよ。一年の時はクラス違ったよね?だから美柳さんと一緒に話をしたいなってさ」
そう言う北條さんは私を見て優しく笑った。
綺麗な黒髪が印象的な、女優さんみたいに綺麗な女の子。
そしてもう一人。
本来校則違反のはずの、綺麗な金髪が似合うショートヘアの可愛い女の子。
「あたしは小坂花音(コサカ カノン)花音か、のんちゃんって呼んでね!馴れ馴れしくて子供っぽくて、うざいって言われるけど、気にしない気にしない」
とても明るい小坂さんは、もうすでに私の事を友達と思ってくれているみたいで、後ろから抱き付いてきた。
ちょっと馴れ馴れしい小坂さん。
そんな二人の本音は分からない。
なんで私なんかに声を掛けるのか、全く理解が出来ない。
だからここはまた無視しようかと思った。
そうしたらまた今まで通りの自分に戻れるし。
一人の時間が好きなら、そうするべきなんだけど・・・・・・。
いつの間にか私は顔を上げていた。
理由は知らない。
「み、美柳空・・・。よろしく」
緊張しながら、短く私は答えた。
声は震えている。
一方の二人は揃って私に笑顔を見せてくれた。
「空だね!仲良くしよ」
北條さんにいきなり下の名前を呼ばれて私は戸惑った。
私も下の名前で呼んだ方がいいのだろうか。
後ろから私に抱きついてくる小坂さんも、嬉しいのか急に力が強まる。
「いえーい!そらちゃんと友達になれた!ってかそらちゃんの髪綺麗だよね!シャンプー何使ってるの?」
「って、花音は何空の頭の匂いを嗅いでるのさ!変態オヤジか!」
呆れた顔を浮かべて北條さんは私の髪を嗅ぐ小坂さんを見ている。
でも、ちょっと北條さんも嬉しそう。
ってか私、髪綺麗じゃないのに。
一方の私は、二人のペースに巻き込まれて困惑するだけ。
小坂さんはずっと私に抱き付いているから、立つことも動くことも出来ない。
だけど、二人が私の事を受け入れてくれたから、私も嬉しかった。
生まれて初めて出来た『友達』を前に私から小さな笑顔が溢れる。
北條燐さんと小坂花音さん・・・・。
いつも通り一人で過ごす私に、声を掛けてきた二人組がいた。
クラスの男子から人気のある、優しい女の子の二人組。
「ねぇ、なんでいつも一人なの?」
「ちょっと燐ちゃんストレート過ぎだって!」
そう言う二人組は、最初は一人でいる私をからかっているのだと思った。
だから私は自然と下を向いてしまう。
無視するように、何も答えなかった。
と言うより、なんて言葉を返したらいいのか分からなかった。
必死に考えても、友達のいない私には『超難問級のクイズ』のように思えて何も答えられない。
二人組に無愛想なやつだと思われる私。
それでも二人は優しかった。
こんな私にも、ちゃんと目を合わして話してくれる。
「ごめんごめん。あたしは北條燐(ホウジョウ リン)だよ。一年の時はクラス違ったよね?だから美柳さんと一緒に話をしたいなってさ」
そう言う北條さんは私を見て優しく笑った。
綺麗な黒髪が印象的な、女優さんみたいに綺麗な女の子。
そしてもう一人。
本来校則違反のはずの、綺麗な金髪が似合うショートヘアの可愛い女の子。
「あたしは小坂花音(コサカ カノン)花音か、のんちゃんって呼んでね!馴れ馴れしくて子供っぽくて、うざいって言われるけど、気にしない気にしない」
とても明るい小坂さんは、もうすでに私の事を友達と思ってくれているみたいで、後ろから抱き付いてきた。
ちょっと馴れ馴れしい小坂さん。
そんな二人の本音は分からない。
なんで私なんかに声を掛けるのか、全く理解が出来ない。
だからここはまた無視しようかと思った。
そうしたらまた今まで通りの自分に戻れるし。
一人の時間が好きなら、そうするべきなんだけど・・・・・・。
いつの間にか私は顔を上げていた。
理由は知らない。
「み、美柳空・・・。よろしく」
緊張しながら、短く私は答えた。
声は震えている。
一方の二人は揃って私に笑顔を見せてくれた。
「空だね!仲良くしよ」
北條さんにいきなり下の名前を呼ばれて私は戸惑った。
私も下の名前で呼んだ方がいいのだろうか。
後ろから私に抱きついてくる小坂さんも、嬉しいのか急に力が強まる。
「いえーい!そらちゃんと友達になれた!ってかそらちゃんの髪綺麗だよね!シャンプー何使ってるの?」
「って、花音は何空の頭の匂いを嗅いでるのさ!変態オヤジか!」
呆れた顔を浮かべて北條さんは私の髪を嗅ぐ小坂さんを見ている。
でも、ちょっと北條さんも嬉しそう。
ってか私、髪綺麗じゃないのに。
一方の私は、二人のペースに巻き込まれて困惑するだけ。
小坂さんはずっと私に抱き付いているから、立つことも動くことも出来ない。
だけど、二人が私の事を受け入れてくれたから、私も嬉しかった。
生まれて初めて出来た『友達』を前に私から小さな笑顔が溢れる。
北條燐さんと小坂花音さん・・・・。