『shoot a shark』日本語で訳すと、『サメを射つ』と言う意味だ。
大海原をイメージした空間で船に乗りながら、名前の通り襲いかかってくる巨大な人食いサメを撃つゲームアトラクション。

銃で撃った弾丸がサメに当たると『迎撃ポイント』カウントされ、最終的には『迎撃ポイント』と『何匹のサメを退治出来た』か争うことも出来るゲームみたい。
かなり熱の入る、楽しそうなアトラクションだと私は感じた。

そのアトラクションは誠也さんの『すぐに乗れる』と言う言葉通り、私達はすぐに案内された。
ジェットコースターと違って待ち時間はないみたい。

あんまり人気がないアトラクションなのかな?

そして私達は水の上に浮かぶ二人乗り船に乗り込んだ。
ヨットような小さな船は、まるで海を渡る本物の船に乗っている時と同じ感覚だ。

船は自動運転で、何もしなくても私達を大海原へと導いてくれる。
私と誠也さんを乗せた船はゆっくりと自動的に進んでいく。

船の上での操作方法は簡単だった。
目の前にある大型の銃を動かし、目の前に現れる巨大なサメの所々に設置された的にどれだけ多くの銃を撃ち込めるか。

ちなみに一定の球数を撃つと鮫は水の中に消えていくらしいけど、
サメを退治出来なかったらサメが私達の船に体当りしてきて、大きく船が揺れるらしい。

だからもしかしたら跳ねた水が船に掛かって、びしょびしょになる可能性もあるみたいだ。
流石に濡れたくはないし、何より勝ったら誠也さんを好きなように出来るし。

だから絶対に頑張らないと。

負けられない。

「よし」

『勝ったらどんな仕返しをしてやろうか』と悪いことを考えながら、私は目の前の一定の銃を握った。

やる気は充分だ。

一方の誠也さんは相変わらず。

「やる気だね。どうあがいても俺に負ける未来しか待っていないのに」

また舐め腐った態度と、苛立つ言葉で隣に座る私に視線を送ってくる誠也さん。
本当にこの人は性格が腐っている。

そんな誠也さんがムカつくから、私は言い返す。

「うるさいです!絶対に負けないですもん」

「まあ強がっていられるのも今のうちだけどね」

目の前の銃を誠也さんに向けて乱れ撃ちにしたい。
そんなことを思ったら突然目の前の景色が変わった。

青い空が広がる、大海原をイメージした空間に、私達は吸い込まれる。