「例えばさ、どんな辛いことでも『ご褒美』があれば頑張れると思わない?今空ちゃんが乗り越えようとしている壁、その先に最高の景色があると分かっていたら、挑戦したいと思う気分にならない?」
誠也さんは一度私の表情を確認すると続ける。
「俺のような悪党に勝ったら、後で好きなようにやり返せるんだよ?これだけで充分なご褒美だと思わないかな?今日俺にやりたい放題やられている空ちゃん?」
確かにそうだ。
勝ったら誠也さんを自分の好きなように出来る。
今日されたこと、倍返しにして返せる。
そう考えたら不思議と誠也さんと勝負したい自分もいる。
負けたら最悪だけど、勝ったら最高だ。
・・・・・・。
だから勝って今までやられた事、全部仕返ししてやる!
嘘でもいいから、たまには私も『頑張れる』って所を見せないと。
じゃないと私、人生ずっと辛いままだ。
それだけは嫌だ。
絶対に嫌だ!
「その勝負、やります」
私の声に誠也さんは頷く。
「オッケー。じゃあ早速対決アトラクションに行こうか。このアトラクションだけはいつもすぐに乗れるしね」
誠也さんは私の手を優しく握り直すと、目的地に向かって歩き出す。
同時に私の足も歩き出す。
遊園地に来てから、初めて誠也さんと同じ方向を歩き出す。
でもその時、携帯電話のバイブ音が聞こえた。
私の携帯電話は武瑠の病室に置いたままだから、誠也さんの携帯電話だろう。
だから私は誠也さんに知らせる。
「誠也さん、ケータイ鳴ってません?」
「ん?ああ」
誠也さんはポケットから携帯電話を取り出すと相手を確認。
でも電話には取らず、そのまま携帯電話を触っていた。
メールとかだったのかな?相手は彼女さん?
そんな事を気にしながら、私は横目で誠也さんの表情を確認しながら歩いていく。
・・・・・・・。
でも一瞬だけ誠也さんの表示が暗くなった。
まるで、最悪な物を見てしまったような、今まで見た事がない絶望に満ちたような誠也さんの表情。
だから私は少し心配になって、誠也さんの名前を小さく呟く。
「誠也さん?」
違和感を感じた私の声に、誠也さんはすぐに私に笑顔を見せる。
「ん?どうしたの?」
「何かあったのですか?」
何故だか長い間が空いてから、誠也さんは答える。
「別に何にもないよ。さあ、行こう」
誠也さんの言葉に私は首を傾げた。
何かあったようにしか見えないけど、誠也さんどうしたのだろう?
裏で大変なことが起きているのかな?
今の私には何一つ分からない。
そして私達は本日最初のアトラクションへ足を運ぶ。
誠也さんは一度私の表情を確認すると続ける。
「俺のような悪党に勝ったら、後で好きなようにやり返せるんだよ?これだけで充分なご褒美だと思わないかな?今日俺にやりたい放題やられている空ちゃん?」
確かにそうだ。
勝ったら誠也さんを自分の好きなように出来る。
今日されたこと、倍返しにして返せる。
そう考えたら不思議と誠也さんと勝負したい自分もいる。
負けたら最悪だけど、勝ったら最高だ。
・・・・・・。
だから勝って今までやられた事、全部仕返ししてやる!
嘘でもいいから、たまには私も『頑張れる』って所を見せないと。
じゃないと私、人生ずっと辛いままだ。
それだけは嫌だ。
絶対に嫌だ!
「その勝負、やります」
私の声に誠也さんは頷く。
「オッケー。じゃあ早速対決アトラクションに行こうか。このアトラクションだけはいつもすぐに乗れるしね」
誠也さんは私の手を優しく握り直すと、目的地に向かって歩き出す。
同時に私の足も歩き出す。
遊園地に来てから、初めて誠也さんと同じ方向を歩き出す。
でもその時、携帯電話のバイブ音が聞こえた。
私の携帯電話は武瑠の病室に置いたままだから、誠也さんの携帯電話だろう。
だから私は誠也さんに知らせる。
「誠也さん、ケータイ鳴ってません?」
「ん?ああ」
誠也さんはポケットから携帯電話を取り出すと相手を確認。
でも電話には取らず、そのまま携帯電話を触っていた。
メールとかだったのかな?相手は彼女さん?
そんな事を気にしながら、私は横目で誠也さんの表情を確認しながら歩いていく。
・・・・・・・。
でも一瞬だけ誠也さんの表示が暗くなった。
まるで、最悪な物を見てしまったような、今まで見た事がない絶望に満ちたような誠也さんの表情。
だから私は少し心配になって、誠也さんの名前を小さく呟く。
「誠也さん?」
違和感を感じた私の声に、誠也さんはすぐに私に笑顔を見せる。
「ん?どうしたの?」
「何かあったのですか?」
何故だか長い間が空いてから、誠也さんは答える。
「別に何にもないよ。さあ、行こう」
誠也さんの言葉に私は首を傾げた。
何かあったようにしか見えないけど、誠也さんどうしたのだろう?
裏で大変なことが起きているのかな?
今の私には何一つ分からない。
そして私達は本日最初のアトラクションへ足を運ぶ。