「・・・・だけど、もしかしたらまた『助けてって言えない時』もあるかもしれません。辛い渦に巻き込まれて、自分自身を見失ってしまうかもしれません。だって、人間やっぱりそんな簡単に変われないと思います。例えば昔よく泣いていた子は、辛いことがまたやってきたら、またすぐに泣いてしまうと思いますし。それにこれだけみんなに『変わった』って言ってもらった私でも、同じ状況になったまた同じ行動を繰り返してしまうと思います。また『自殺』をしようとするかもしれません・・・・。だから・・・・」

だから・・・・。

だから・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

こんな時に限って、言葉が出てこない。
自分の意思を最後まで伝えられない。

けど・・・・。

「その時は俺が助けるよ。絶対に俺が空ちゃんを守るよ。だから空ちゃんも、辛い時は俺の前でいっぱい泣いてね。辛いことを全部吐き出してね。それしか、辛いを吹き飛ばす解決策はないんだし。辛い時に一人で解決策を考えたって、どうしようもないんだし」

・・・・・・・・・・・。

「そうだね。千尋も辛い時は誠也や将大さんに何度も助けられたし。何度もみんなの前で涙を流したし。『それで何かが変わったか?』って聞かれたら、何が変わったかはうまく伝えられないけど、『こんなにも千尋に仲間が居たんだ』って知ったし。みんな、何度も何度も千尋を支えてくれたし。だから千尋も『支えてくれたみんなに恩を返そう』と思って、『今を一生懸命生きていく事』が出来たし。お姉ちゃんにも、『千尋は頑張っているよ』って伝えたいし。空にも、早くそれを伝えたいしね」

言葉が出てこなかった私をフォローをして救ってくれる誠也さんと千尋さん。
暖かく包んでくれる二人。

まるで、『それ以上は辛い現実を抱えるな』とでも言うように。

『みんなそばにいるから、悩む必要なんてないよ』と教えてくれるように。

・・・・・・・。

そうだ、よくよく考えたら悩む必要なんてないんだ。

悩む前に吐き出すように誰かの胸で泣いて、誰かに支えてもらう。

全然難しくない。
『出来ない』とか『難しい』と思うから行動に移せないんだ。

少し自分が勇気を出すだけ。

そして自分がほんの少しでも『勇気』を出せば、『視界』は変わってくる。

『視界』が変われば、『自分の考えていること』も変わってくる。

『自分の考えていること』は、『とてもちっぽけなことだったんだ』って思えてくる。

辛いことが『ちっぽけな事』だと思うようになったら、絶対にまた笑える。

笑って生きていける。

笑えたら明日が楽しくなる。

『人生また楽しい』と思えるようになる!