「よく言えました。じゃあご褒美として、お寿司を食べてもいいよ?」

笑顔を見せる誠也さんの言葉に、私は全力で喜ぶ。

「本当ですか?やったー!」

満面の笑みを見せながら、私は誠也さんが作業する目の前のカウンター席に座った。
そしてお腹を空かせた私は、目の前のお寿司を眺める。

マグロやハマチや鯛や中とろやいくらの軍艦など。
私の大好きな甘エビもある。

どれも輝いているから、めちゃくちゃ美味しそう!

早速私は『いただきます』の言葉の後、お箸を手に取り早速誠也さんが握ってくれたお寿司を突いた。

まずはマグロ。
『すし処みやなぎ』のお寿司は醤油に付けなくても味が染み込んでいるから、私は何も付けずに早速いただく。

久しぶりのお寿司を目の前に、笑顔が止まらない私。

「おいしい!誠也さん、すごっくおいしいです!」

その店内に響き渡るような私の声に、誠也さんからも笑みがこぼれる。

「そう言って貰えるとすっごく嬉しいよ。将大さんの味に近づいた?」

それについては正直言ってよくわからない。
私はお父さんのお寿司が大好きですごく美味しいけど、誠也さんのお寿司もお父さんと違ってまたすごく美味しい。

だから、『なんて答えようか』と迷った私だけど・・・・・。

突然お店の入り口の扉が開く。

私の大好きな千尋さんが、笑顔で私に手を振っている。

「いらっしゃい!千尋」

「やっほー!久しぶり誠也。やっぱ誠也はその姿が似合っているね。様になっているし」

誠也さんは千尋さんの言葉がすごく嬉しかったのか、笑みをこぼしながら答える。

「ありがとう。そう言われて、俺も嬉しいよ」

千尋さんは早速私の隣の席に座ると、背負っていたリュックサックからノートパソコン取り出しカウンター席に置く。

そして視線を私に移して、笑顔を見せながら問いかけてくる千尋さん。
今日仕事場である『東京』から帰ってきた千尋さん。

「空も元気してる?振り付けの方は順調?」

私も笑顔で言葉を返す。

「はい!順調って言うか、結構踊れるようになったって言うか」

「お、やるねえ!じゃあ後でテストね。全然だったら、またくすぐるから」

「え?」

くすぐる?

何ですか?
そのゾッとする罰ゲームは。

・・・・え?