「はあ・・・・。本当に困った子だよね君は。俺がいないと、本当に何も出来ないし。っていうか喧嘩売っても、弱い空ちゃんは一生誰にも勝てはしないんだし。だったら『どうやってこの場をしのごうか』と考えた方ががいいんじゃないの?例えば、俺に助けを求めたりしてね」

「誠也さん・・・・・」

いつもいつも、ダメな私を心配してくれる誠也さん。
ずっとずっと、私を応援してくれる誠也さん。

私がここまで生きてこれたのも、間違いなく誠也さんのおかげ。
暖かく包み込むような優しさに、私は何度も救われたっけ。

そしてもう一人、ずっと影で私を支えてくれる誠也さんの妹の田中真奈美(タナカ マナミ)さん。
ずっと私のことを心配してくれて、笑わない私を元気付けようとしてくれた真奈美さん。

そんな真奈美さんが私をくすぐったりしていじめる理由は、ただ『笑わない私を笑わせよう』としてくれただけ。
私に笑い方を教えてくれただけ。

まあ・・・・、時々やり過ぎているけど。

「空ちゃん、改めてお誕生日おめでとう。十七歳だね。私が作ったケーキ、いっぱい食べてね」

そういう真奈美さんに、私は軽く頭を下げて感謝の気持ちを伝える。

「あ、ありがとうございます・・・・・頂きます」

そう言うと、真奈美さんは私に笑みを見せてくれた。
誠也さんによく似た、暖かく優しい笑顔。

そしてみんなの視線が私に集まる。
みんな、私のそばに集まってくれる。

優しいみんなの温もりで、私をさらに温めてくれる。

・・・・・・・・。

ってか恥ずかしいよ・・・・。

「な、何ですか?あんまり見ないでください・・・・」

そう言って、私は下を向いた。
赤く染まった私の顔を隠すように。

ってかみんなの視線が集まるなんて、すごく緊張するし。
どんな顔を浮かべたらいいのかわからないし。

・・・・・・・。

だけど、こんな時に『支えてくれてありがとう』って言いたい私がいる。
ここでこの一言を言えたら、私も少し変われると思うのだけど・・・・・・・。

やっぱり私は私だ。
恥ずかしがり屋の私には、まだ言えないセリフ。

これから先、私が練習していかないといけない事。
生きていく上での、私の人生の課題。

・・・・・まあ、言えたら言ったで、『空ちゃんのくせに生意気だ』って言って怒られそうだけど。