「ちょ!千尋さん!ってか何で攻撃するのですか!」

千尋さんは、不気味な笑みを浮かべて答える。

「いやなんか今の台詞、お姉ちゃんが言っているように感じたから。なんかムカついたし。『お姉ちゃんにされた恨みを晴らしてやろう』って思ったし」

「だから、お母さんへの恨みを私で晴らさないでください!私、関係ないですし。ってかお昼に散々私に攻撃したのに、まだ恨みがあるんですか?」

千尋さんは満面の笑みを見せて答える。
本当にこの人頭がおかしい。

「もちろん!一回の人生じゃ償いきれないほどの恨みがね。だからまた襲ってやる!空、いじめると可愛い反応するし」

「い、いや!」

最後の言葉、絶対にいらないよね!
『お母さんの恨み』って言うより、ただ私をいじめたいだけだよね?

もう頭にきた!

こうなったら私も戦う。
もうやられてばっかの私は嫌だし、やられたら絶対にやり返す。

敵が何人いようとも、さっきの燐ちゃんの時みたいにみたいに私も反撃する。
どんなに敵が多くいようとも、私は挫けない。

絶対に負けない!

・・・・・・。

「はいはい。そこの凶暴なハムスターちゃん?暴れようとしないでね。美味しいケーキ、俺と一緒に食べよ?」

でも一番の私の敵は、そう言って私を挑発する目の前の変態男だ。

一番懲らしめたい相手は、田中誠也だ!

いつもいつも私をいじめやがって!

また私をいじめようとしてくるし。

そんな『変態男』は千尋さんに抵抗しようとする私の腕を掴んで、私の動きを止めようとする。

てか触んなばーか!

「誰がハムスターですか!誠也さんのばーか!」

ふざけたばか誠也さんの顔面に、『頭突き』でも食らわせてやろうかと思った。
おもいっきり『体当たり』でもしてやろうかと思った。

『ぶん殴ってやろう』かと思った。

でも誠也さんからしたら、怒る私は全然怖くない。
飼っているペットが勝手に不機嫌になっているようなもので、飼い主からしたら『今日はどうしたんだろう?』と首をかしげるだけ。

だから誠也さんは私の両頬をつねる。
その誠也さんの姿はまるで、『俺に逆らうなんて十年早い』とでも言うように・・・・・・。

ってか痛い!

「誠也さん!痛い痛い!離してください!本当に痛いです!」

誠也さんは不気味な笑みを私に見せる。

「誰がバカなの?ん?言ってみて?」

「ご、ごめんなさい!バカは私です!いたい!」

私の悲鳴を聞いて笑う『サイコパス誠也さん』は、また小さく笑う。

「よし。よく言えたね。もう勝手に行動したらダメだからね?あと飼い主に『バカ』なんて言葉、絶対ダメだからね?わかった?ハムスターの空ちゃん」

そう言って誠也さんは私の両頬攻撃をやめてくれると、今度は私の頭を撫でてくる。
まるで言うこと聞かないペットの頭を撫でるような、『ばか誠也』さんの手の動き。

・・・・・・・・。

ばーか。