「ちょ、燐ちゃん!あはは!」

悪そうな笑みを浮かべる燐ちゃんは、さらに私を襲う。

「やっぱり空には励まされたくない。なんか生意気だし、『調子に乗んな』って思うし。あたしの『可愛い妹』でいて欲しいし。だから気に入らないから、またいじめてやる。マゾな空が大好きなくすぐり攻撃で誕生日を祝ってやる!」

「もう!燐ちゃん!きゃははは!」

マゾ言うな!
しかもそんなお祝いなんていらないよ!

嫌と言っても、笑顔で私をくすぐってくる燐ちゃん。
必死に逃げようとする私をしっかり捕まえて、ひたすら笑い続ける私を攻撃する燐ちゃん。

そんな私達の姿に、他のもみんなも笑っていた。
先ほど同様、私の悲鳴を聞いて子供みたいな笑顔を見せるみんな。

ってか流石にいい加減にして欲しいかも。

私も流石に怒るよ?

ってか、もう怒ろう。
流石に許せない!

このまま黙って好き放題やられるのは、私も好きじゃない。

だから私は全力で暴れた。
燐ちゃんを押し倒し、突き放す。

「ちょ、空!」

そしてようやく私から離れてくれた燐ちゃんに向かって叫ぶ。
今までの恨みをぶつけるように、腰を抜かす燐ちゃんを挑発する。

「私に逆らうとこうなるんだ!ざまあみろ!」

お母さんが教えてくれた。
『嫌なことをされたら、倍にしてやられたことを返して「ざまあみろ!」って相手に叫べ』って。

お母さん、からかってくるお父さんによく言っていたし。
だから私も言ってやった。

もちろん大好きな友達を押し倒したから『罪悪感』もあるけど、今は燐ちゃんにやり返したと言う『達成感』の方が大きい。

ってか、最初に攻撃にしてきたのは燐ちゃんだし。
私は何も悪くないし。

でも私には『敵』が多い。
燐ちゃん一人倒したところで、何にも意味がない。

だから私、生まれて初めてやり返せたと言う達成感に浸っていたら、背後から近づいてくるもう一人の敵に気づかなかった。

気づかなかったから、私は千尋さんに背後を取られる。
背後から私の胸を揉んでくる。

って、もう!