十二月二十五日は何の日?

昔からそうお母さんに言われて、私は昔から『クリスマス』と答えてきた。
年に一度、子供はサンタさんからプレゼントをもらう日。

それと、『お母さんが生まれた誕生日』って答えた。
『十二月二十五日は茉尋お母さんが生まれた日』って、お父さんは私に教えてくれた。

だから私、幼い時はこの日のためにお母さんに『誕生日プレゼント』を毎年のように考えて、毎年のように渡していた。

幼い頃は何も知恵が浮かばなかった私だから、『お母さんの似顔絵』や仕事に疲れているお母さんに『肩叩き券』とか、そんなプレゼントを渡していた。

それとお父さんに教えられて、お寿司のプレゼントをしたり。
うまく握れなくて、ぐちゃぐちゃのお寿司を作ってみたり。

そんな私のプレゼントを、お母さんは喜んでくれた。
嫌な顔一つ浮かべず、私のプレゼントを受け取ってくれた。

『お母さんの似顔絵』は自分の部屋に飾ってくれたり、『肩叩き券』は仕事の合間を見て、私を呼んで使ってくれたり。

お寿司はワサビを入れすぎて苦しんでいたお母さんだけど、全部食べてくれたし。

思い返すと、毎年のこの日はお母さんとの思い出がいっぱい。

・・・・・・・。

でもこれらの出来事は『私の作り出した妄想なんじゃないかな?』って最近・・・いや、お母さんが死んでから思うようになってしまった。

お父さんが亡くなってから、お父さんに怒られた『特別な日』が、私にとって『とても辛い日』になってしまったように。

お母さんが亡くなってから、『お母さんと過ごした過去』も同様に思い出したくなかったし。

だからクリスマスというこの国のイベントを聞くと胸が苦しくなる。
『お母さんの誕生日はクリスマス』って記憶しているからこそ、それもっと辛く感じるし・・・・。

何よりクリスマスはお母さんが亡くなった日でもあるし・・・・。

だから私、クリスマスなんか大嫌いだ。
クリスマスの日にお母さんは倒れ、お母さんは二十五歳の誕生日と共に亡くなったのだから。

思い出すと胸が苦しくなる。

お父さんにも、『クリスマスは嫌いだから何もしないで欲しい』って私は言い続けたし。
毎年大嫌いなクリスマスはずっと部屋に引きこもって読書をしていたし。

だからクリスマス・・・・いや、十二月二十五日なんてなくなってしまえばいいのに。

本当に思い出したくないのに。
本当にカレンダーから消えたらいいのに。

・・・・・・・。

それを、みんなは許してくれない。

私にも『明日は来るんだ』と教えてくれる。

私に『生きる希望』を与えてくれる・・・・・・・・。