「あ！面白そう！私も一緒に空ちゃんをいじめてもいいですか？」

それは私の友達の声。
明るく元気な、私を何度も励ましてくれた大好きな『友達』の声。

ってかさっき帰ったはずなのに、なんで？

なんで海ちゃんがいるの？

一方のアホな千尋さんは笑顔で大きく頷く。

「もちろん！この子、年上で尊敬する千尋様にバカって言ったんだよ。だから罰を与えて当然だよね！」

その言葉を皮切りに、海ちゃんも千尋さん同様に私を襲ってきた。
私が嫌がる脇を中心に攻撃してくる海ちゃん。

・・・・・・ってこら！

「海ちゃん！ってかなんでここに？孝太くんと一緒に帰ったはずじゃ？・・・あはは！」

私の言葉に、海ちゃんは私をくすぐったまま答える。

「私だけじゃないよ、みんな一緒だよ！」

「え？」

みんな一緒。

その言葉の意味を確かめるため、私は海ちゃんの後ろに視線を移す。
誰かの影が見える。

・・・・・・。

でも、その影を確認する間も無く私は新たな人物に襲われた。
綺麗な金髪の、ちょっと変わった雰囲気の女の子。

・・・・燐ちゃんのことが大好きな、不思議な女の子。

「そらちゃん！『せいやお兄さんと結婚する』ってホント？するんだったら盛大にかのんもくすぐってあげるね！お祝いだし」

お祝いでくすぐる？

そんな意味のわからない言葉と共に、花音ちゃんは私を襲ってきた。

ってか花音ちゃん何言っているの？
私、くすぐり攻撃されるの大嫌いなんだよ？

ってか結婚とか言わないで！
どこでその情報を仕入れたの？

まさか私と誠也さんの会話を聞いていたの？

ってか、いつの間にか花音ちゃんも後ろから私を笑顔でくすぐっているし。

・・・・・・・・・。

そして、もちろんそれだけじゃ終わらない。

終わるわけがない・・・・・。
私には味方はいないから、助けてくれる仲間もいない。

唯一信じていた『彼』にもあっさり見切られる私・・・・。